れいん。

 愁いを帯びるのである。

 雨、全てを洗い流すかのように降り続ける雨。

 その雨で、街全体が静寂というベールに包まれる。

 道行く人も、車も、ビルも、音と色と存在感を失い、まるで出来の悪いモノクロの映画ようだ。

 カフェテラスから空を見上げれば、そこには黒く厚い雨雲があるばかり。

 天から降り注がれるその圧迫感は、人の心の壁も黒く厚くする。

 ふと、夢想する。

 もしかしたら、その存在自体が悲しみなのかもしれない。

 そんな馬鹿げた考えが胸中に沸き起こるのは、降り続ける雨を見ているからだろう。

 雨、悲しみにくれる雨…。
 
 
 
 …原付どうしよう?(泣)