とらぶる(1)

いつもとノリが違うのでご注意を…。
 ある日、新聞に載っていた事件に目が止まった。
「飲み屋の常連が殺人未遂で逮捕」
なんでも就職のことで指摘され、腹を立てた男が被害者の自宅にまで訪れて殺害しようとしたとの事。
 この記事を読んでただの常連同士ということだけでなんでこんなことになるんだろう?…と思う一方、人間同士の関係だからそうこともあるんだな、と納得する自分もいた。実際、フォースを始めてからその手の厄介事はいくつも見てた。見ただけなく、経験もしてきたので納得するのが当然のこと。…なのだが。
 あれは二年ほど前。それは自分が常連同士で他愛のない話ができるようになった頃。その常連の中にひとりの男性がいた。初対面の印象としては人当たりがよさそうなではあるが、どこかしら気の弱い感がある青年。それでもその立ち振る舞いは、自分より大人であるということを感じさせた。
 彼の使用機体はバルバトス。その高い援護能力と回避力をフルに駆使して安定した強さを保っていた。実際、彼のフォースの腕前はかなりのもので、出会った時の階級は大佐だった(自分は軍曹)
 お互いに通じるものがあったのか、何度か話しているうちに気のいい仲になった。相方としても相性が良く、お互いの短所を補うことができて結構いいコンビだった。何度か共闘して5連勝したり、即席であるが組んで大会に出場した時もあった。